2008年1月1日火曜日

クリスチャンになってよかった 2/10

私がクリスチャンになって本当によかったと思っていることは数限りなくある。まず人を恐れなくなった。クリスチャンになるまでは、人の言うことが気になって仕方がなかった。人の口や人の目を気にし、恐れていた生活は力のない生活だった。

日本人は,とかくほかの人が自分のことをどう思っているかを気にするが,神からしっかりとした確信が与えられると、人を恐れることがなくなった。けれども、これは傲岸不遜な人間になることとは違う。

私がクリスチャンになってまだ一年も経っていなかったころのことである。大学のクラス委員が妙な情報を持って来て、私たちに説明した。それは、近々国会で審議される私学法案なるものは大変な悪法で、これが国会で通ると、私学はアメリカの植民地のようになるというのである。だから、国会で審議する日は、試験をボイコットし、国会にデモをかける必要があると言って、私たちに訴えた。

クラス委員は、学生自治会の委員であり、彼は全学自治会で聞いてきた情報を伝えたにすぎなかった。人間として、彼はいいかげんな男ではなかったが、私はどうしてそんな重要情報が学生だけに流されて、新聞も大学当局も沈黙しているのか不思議でならなかった。

私は早速、親しくしていた政治経済研究所の総務部長をしていたW氏聞くと、彼は私学法案なるものを見せてくれ、悪法であるどころか良い法律であること、それに反対するようにという秘密指令を日本共産党が出している裏のカラクリまでも教えてくれた。

第二回のクラス会の時、試験ボイコットについての決を取ることになった時、私は立ち上がって、「私学法案なるものは決して悪法ではない。私は実際それに目を通してみた。それが国会で通ったからと言って、われわれの大学が植民地化されるなどということはありえない。だから、この試験ボイコットは間違いである。間違っているものに賛成はできない。たとい多数決であっても、それに従ってはならない。」人前で何一つ自分の意見を言うことのできなかったことを知っていたかつての友人がこの私の姿を見たら何を言うだろうか。そして、それをだれよりもよく知っているのは私であった。だから、私自身、このように言っている自分の姿に驚かずにはいられなかった。そして試験の当日、ボイコットを強行するためのピケラインが張られたが、私はそれを強行突破して試験を受けたのである。