2008年3月12日水曜日

健康について 2/8

病気というものは、現在約十八万種あると言われているが、それを要因という面から分けてみると、外因性の疾患と内因性の疾患とに分けることができる。外因性の疾患というのは、主として肺炎とか、赤痢とか、疫痢とか、コレラとか、チフスとか、結核などの細菌性の病気や外傷などがそうだが、こういう病気は、薬物療法や外科療法が進歩したために、それによって治療することができるようになった。ところが、内因性の疾患というのは、内的要因による病気で、患者自身の体質が大きな因子になっているものである。文明病と呼ばれるものは、そのすべてが実はこの内因性の疾患である。

最近では、平均寿命が延びたと言って喜んでいるけれども、実は乳幼児の死亡が大幅に減ったためであって、ほとんど変わっていないのが実状である。また、若い人々の体格が向上したと言われているが、体が大きくなっただけで、不健康な人がむしろ増えているというのが現実なのである。

最近では、脳溢血、がん、心臓病という文明病が死亡率の首位を占めているし、また、アレルギー性疾患、高血圧、神経痛、リウマチ、慢性内臓疾患、精神疾患は、うなぎのぼりに増加の一途をたどっている。

ところで、世界の長寿村と言われている所の人の中には、文明病と呼ばれる疾患が皆無であると報告されている。それには、ストレスのない自然環境ということももちろんあるけれども、食生活が重要な鍵となっている。

グルジア共和国と、パキスタンのフンザと、エクアドルのビルカバンバと、中国の新彊ウイグル自治区にある村、これらは世界の長寿村と言われている。

これらの村の人々が食べている食事には、共通したものがいくつもある。まず未精白の雑穀が主食。時には芋類を主食にしている所もあるが、未精白の穀物が中心である。それに副食は、植物性食品が主体で、それも新鮮な物で、自分たちの手で作っているものだ。肉類はごくまれで、しかも極めて少量しか採らない。さらに、新鮮な果物やナッツ、また発酵食品が採られている。それに、薬草が用いられている。

この長寿村というのは、地理的にもお互いに遠く距っているが、それぞれの村には、百歳を越える人が何人もいる。それほど食べ物は、私たちの健康に影響を与えていることが分る。